冬恒例!落ち葉掃き&焚き

先週の雪予報が出る前あたりから、自然栽培(無農薬・無肥料)12年目を迎える、通称〝柿畑牧場〟で毎年恒例の『落ち葉掃き&落ち葉焚き』を始めています。この作業、単に〝暖〟をとることが目的?ではなく、実は紅露柿の源泉〝無農薬の甲州百匁柿〟づくりに欠くことの出来ない作業なのです!ズバリ「落葉病」予防です。昨年の秋、地域で猛威を振るった「落葉病」。

百匁柿づくりでは、一番注意が必要な病気です。9月になり朝晩の空気がスーッと涼しく感じられ、やがて秋の長雨がシトシト降り始める頃、柿の濃い緑の葉に「茶色の斑点」がポツポツ目立ち始めます。これが「落葉病」。一度罹ると治す手立てはなく、葉は紅葉を始め、ひと風吹くたびにパラパラと音を立てて落ち葉の絨毯になります。(その光景は実に切ない‥)ついには折角実った果実も、未熟の(糖度が上がらぬ)まま収穫を待たず、ヘタごとボタッボタッと落ちてしいます。(動物たちは待ってました!とばかりにパクパク‥)

慣行(農薬を使う)栽培を行う農家さんでさえ酷いところでは、例年の2〜3割ほどの極端な減収に見舞われたほどでした。多分にもれず、自然栽培の当園ではわずか数十個という9年前の初収穫の時を思わせるような事態になりました。(それでも収穫皆無でなかったことは嬉しかったなぁ)落葉病菌は枯葉に付いたまま冬越しをします。そして、春の若葉が萌える時期に感染を始めます。農薬を一切使用しない当園のような栽培では、冬のこの時期「越冬菌」の密度をできるだけ低く抑える工夫がとても大事です。その作業が〝落ち葉掃き&焚き〟。

雨が降る前に掃き集めた落ち葉は、古い風呂釜(写真)で焚いて〝灰〟にして畑に還します。また雨後に掃き集めた湿った落ち葉は、柿畑から持ち出して別の畑に積み込み、堆肥にします。柿の葉は、栄養豊富なのでとても良い肥料になります。手間はかかりますが(冬場の運動不足解消も兼ねて)、すべて無駄なく利用できることがとても嬉しいです。何より嬉しいのは、落ち葉の下から冬草が現れ、動物たちの貴重な飼い葉になること!虫や草の種をついばみに来てくれる百舌(モズ)をはじめ雉(キジ)やムクドリ、ハトなど様々な鳥たちと会えること!そして夕刻、西日に照らされて冬の畑がとても美しく輝いて見えること!自分の仕事は日々〝景色を作ること〟なんだなぁ‥〝じんわり〟思う瞬間です。

病葉(わくらば)落ち葉の絨毯と皆の衆ミネラルたっぷりの灰できました

百舌      

 

 

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